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2012年のつぶやき

2012のつぶやき

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マウンドの上で死んでこい!!

2012-01-20
日本ハムダルビッシュ有投手が、ギリギリのところで大リーグ入りを決めました。いろいろと関門があったのでしょうが、まずは一安心です。毎日気をもみながら応援していたファンの方もホッとしたことでしょう。大いなる飛躍と活躍を期待して応援したいと思います。
昨年の”つぶやき”《頑張れユウちゃんのつぶやき》で、ただ単に”有”の一字を共有している縁で(一方通行の勝手な縁です。ダルビッシュ選手には迷惑なことでしょう。)『がんばれ ダル』と応援メッセージを書きました。そのせいか、この一年間、今まであまりプロ野球には関心がなかった私ですが、彼だけはスポーツニュースでもスポーツ新聞でも気を留めて応援していました。
 なんと、日本選手として最高額の6年6000万ドルの契約とはスケールが違いますね。野茂投手が先鞭をつけ、イチロー選手が切り開いた大リーグへの道です。松井選手や松坂選手が確立した日本人選手の知名度をさらにUPさせてください。しかし、その影で不本意な成績を残し帰国した選手も沢山います。期待通りの活躍ができずに苦しんでいる選手も沢山います。その選手たちの分まで思い切って活躍してほしいと切に望みます。
 東日本大震災で大きな被害が出ました。復興の希望と勇気を与えるために、多くの野球少年たちに夢を与えるために、多くの野球ファンの人々に喜びを与えるために・・・・・・・そして、残念ながら夢かなわなかった選手たちの無念を背負い、マウンドに立ってくれると思います。
しかしマウンドの上では、無念無想です。死にきって一球一球投げてください。
ダルよ、マウンドの上で死んで来い!!

蛇足:「死んで来い」とは、”死ぬ気でやれ”というような軽いものではなく、”死にきって(無の境地で)投げろ”というような意味です。禅宗特有な方便ですので、誤解なきよう。

草木国土悉皆成仏(しっかいじょうぶつ)

2012-01-10
1月8日の読売新聞に天台座主の半田孝淳師と高野山真言宗金剛峯寺座主の松長有慶師の対談が載っていました。未曾有の東日本大震災や福島原発事故、台風災害などの被災、昨年は大変な年でした。今後われわれ日本人はどう生きてゆくべきか、がテーマでした。
 それぞれの開祖である最澄も空海も入唐して仏教を学び、帰国後平安仏教を代表する比叡山延暦寺と高野山金剛峯寺を創建しました。天台宗と真言宗と宗派は違えど、二人の教えの中には「自然とともに生きる<共生>という考え方」が共有していたそうです。
 その教えに基づいて、お二人の座主は、これからは社会の仕組みや人間の生き方を変えねばならず、そのためには人間の心の持ち方を変えなければならないと説いています。そのためには自然とともに生きるに当たって『草木国土悉皆成仏』という<共生>に基づく教えが重要であると。石ころの中にも仏心を感じて手を合わせる心を涵養する必要がありそうです。『悉有仏性』といってもよいでしょう。改めて言われるまでもなく、農耕民族の日本人は、もともと自然への畏敬の念を持ち、自然のもろもろに神仏の存在を認めてきたわけですから、古の英知を思い出せばよいのかと思います。
 ところで、自然との<共生>も大切ですが、人間との<共生>はもっと大事な気がします。家族をはじめ、地域社 会、係るいろいろな組織の中で、いかに<共生>できているか、改めて問うてみたらいかがでしょう。半田座主が、自分をわすれて人のために尽くすという『忘己利他』という言葉を引用していますが、厳しい臨済なら『亡己』といいそうです。ちっぽけな自分なんて捨ててしまえ!!というわけです。
改めて本年の仕事開始にあたり、自分の周りを見渡し、人との<共生>・自然との<共生>を考えて見ましょう。
白隠禅師はいっております。<六種輪廻の因縁は、己が愚痴の闇路なり>と。

温故知新

2012-01-01
 皆様 明けましておめでとうございます。お健やかな新年をお迎えされたこととお喜び申し上げます。
昨年は東日本大震災と福島原子力発電所の大事故、台風による水害など大変な一年でした。今年は安心で安全な日々が送れますことを祈念せずには居られません。
大晦日から元日に年が変わる真夜中、祈祷をおこないました。たくさんの殉難者の御霊に回向し、安心と安全を祈念しました。三箇日の三日間祈祷を勤めます。(二日と三日は朝に勤めます。)
 昨年の世相の漢字として「絆」が選ばれました。確かにいろいろな意味での「絆」を意識した年でした。
”変えてはいけない「絆」” そして”変えてゆく「勇気」”を学んだ年でもありました。

『温故知新』は、新年を迎えるにあたり、今年一年を生きるにあたり、ご本山建長寺管長 吉田正道老大師が選んだ言葉です。我々は改めて過去の事例や事故からたくさんのことを学び、新しい技術を開発しシステムを構築してゆかなければならないのです。歴史はたくさんの知恵の宝庫です。少なくとも確実に分かっていることは、現在と過去なのですから。

”忘れられない過去がある。”  ”忘れたい過去がある。”  ”忘れてはいけない過去がある。”
つらく悲惨な一年でした。今年は何としても安心で安全な一年にしなければ・・・・・・御霊に申し訳ない。

寺山修司は言いました。 「振り向くな ふりむくな 後ろには夢がないと」

しかし、明日の夢を掴むために、勇気を持って振り返り、大智を得て明日を創りましょう。
これから生まれてくる尊い命の為に。これから大きく羽ばたこうとしている尊い命の為に。そして今を必死に生きている尊い命の為に。

福田山 壽徳寺
〒326-0322
栃木県足利市野田町1463
TEL.0284-71-9130
FAX.0284-71-6183


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